Soul Lovers2~あなたの笑顔を守りたくて~




講義が終わって部室に向かう途中、横峰さんを見かけた。



横峰さんは見たことのない男の人と一緒だった。



工事現場の作業着姿で、茶色く脱色した髪には所々黒髪が混ざってる。



横峰さんより少し年上に見える、目つきの鋭い男の人。



「会わないって言ったでしょ」



そう言った横峰さんの腕を掴む男の人は、鬼気迫る顔で訴える。



「今の俺達には何の障害もない。やり直そう?お前がいれば、俺はもう一度頑張れる」



「無理よ。二度と来ないで!」



横峰さんの言葉に、男の人はぐっと歯を食いしばる。そして悔しさを振り切るように言った。



「俺には玲しかいない。玲だってそうだろ?今でも好きなんだろ?俺のこと」



横峰さんは男の人から顔を逸らすように俯いた。



「私があなたに恋したことって、そんなに悪いことだったの?あの時。私が一番苦しいとき、あなたは私を捨てていなくなったのに。どうして今更、会いに来るの?」



横峰さんの言葉に、男の人が黙り込む。



「私は懸命にテニスをするあなたが好きだった。今のあなたに興味はないわ。帰って」