Soul Lovers2~あなたの笑顔を守りたくて~




J-Hiphop村はメジャーアーティストを嫌う。



晋平さんはアングラからメジャーに行って嫌われた。



俺はメジャーからアングラに来て嫌われた。



俺はSoul Louversのメンバーだってことを隠していたときは風当たりは悪くなかった。



けど俺が七倉ハルだってバレてからは、バトルをする度に「アイドル死ね」なんて言葉、腐るほど浴びせられた。



完全なアウェーだからこそ、こいつらの前で勝って黙らせてやる。そう思った。



だから、さっきの鬼人みたいな晋平さんの心境を、俺は誰よりも理解できる。



「相変わらず、えぐい攻め方をしますね」



俺の言葉に、楽しそうに目を細める晋平さん。



「次こそ、俺とバトルしようぜ」



グラスに入った酒を、喉を鳴らして飲む晋平さん。



人で溢れる店内で、俺たちの周りだけ誰もいない。



俺の場合、バトルの時にはヤジを飛ばされても、それでもバトルが終われば誰かしらと話しながら飲んでいる。



薄暗い店内、晋平さんの横顔を見る。



孤高の王者は、誰よりも孤独なのかもしれない。