破天荒なマッシーさんや、事務所の先輩だった伊織さんがいて、毎日、お祭り騒ぎだったコーギーは、



Soul Loversの七倉ハルの仮面を脱いで、素で楽しめる数少ない場所だった。



最初は、とにかく楽しいからって理由で通っていたコーギー。



けど店で流れる音楽や、予告なく始まるラップバトルに、次第に自分も彼らのように、生身の音を。言葉を紡ぎたいと強く考えるようになった。



それからは自分で曲を作っては、デモテープをコーギーや色んなクラブに配り歩いたり、飛び入りでライブをやらせてもらった。



今とは比べ物にならないダサいリリックとメロディーライン。



ラップも下手くそだったけど、あの頃の日々は無邪気で楽しかった。



メジャーでは絶対にできない体験。



俺の夜の活動を、リーダーの竜也とマネージャーは気付いていたけど、黙認してくれていた。