「感謝してるのは私の方です。七倉さんがいるから、私は勉強もテニスも頑張れるんです」



七倉さんが私を好きだなんて、今でも信じられない。



けど、いつも一生懸命な七倉さんに置いていかれないようにって、自分を鼓舞して頑張れる。



揺るぎない目で見つめ返すと、七倉さんは私を引き寄せて、抱き締めた。



ぎゅっと強く抱き締めながらも痛くないのは、こんな時すら七倉さんが私を気遣ってくれてる証で。私も七倉さんの背中に腕を回した。



幸せすぎて、夢みたい。



うっとりする私の唇に、七倉さんは触れるだけのキスをした。



「おやすみ、雛子ちゃん」



「おやすみなさい、七倉さん」



今夜、夢の中でも七倉さんに会えますように。