私は、グッと拳に力を入れて息を大きく吸った。



「もう…拓海くんのことは、好きじゃないの……!!むしろ…嫌いです……もう、私が好きだった拓海くんじゃない。もう、私達は戻れないの……だから、」



────…もう、構わないで。



そういった瞬間、また昨日のようにガシッと両肩を掴まれる。



昨日のことがフラッシュバックして、ビクッと肩が跳ね上がる。



「小春のくせに!!!」



だめだ、もう。



何を言っても、この人は……私の言うことを聞いてくれない。