「最初は結婚は条件だったけど、
今は違うんだから、妻を養うのは夫の努めだから。
気にすんなよ」



「え……」



「だから学費だって、気にすることないんだ。
一応貯金はあるし。」



「いえ。…そんなのダメです。
先生のために使ってください」




「…俺のためになるなら、お前の学費払うけど?」




「だから、そんなことしないでください。
奨学金、応募してみたいです。







………推薦入試、考えてみます。」




「ん。まだ日にちあるから、ゆっくり考えてみればいいから。
…ほら、もう寝るよ」







眠った先生の隣で、




灯りを暗くして、



もう少しだけ、
奨学金の要項を見ていた。