「おねーちゃん、」 帰ろうとした私たちに、 雄太くんだけが声をかけてくれた。 「よかったね。おねーちゃんしあわせになってね」 「雄太くん………ありがと……っ……」 「君のおかげで、栞と結婚することにできた。ありがとう」 先生も、 雄太くんの頭にポンポンした。 「でもね、くりはら。 ぼくもおねーちゃんがすきだから、 ぼくがおとなになったらおねーちゃんとけっこんする。 それまでだからね」