「そうですか。じゃあ、栞さんを貰いますね。」
「先生……」
また、胃がキリキリし始めた。
「栞ちゃん…。本当に先生となんか結婚するの?世間の目は痛いと思うわよ…」
「……世間の目なんて、気にしません。私には先生がいます。
お世話になりました……」
もうこんな家には戻りたくない。
「先生。ちょっと待っててください。
前に書いた婚姻届と、指輪と、ネックレスと、ストラップと、……大事なものと、生活に必要なものだけ、持ってきます。」
その他にあるものは、
本当の私のものじゃない。
だから、
今夜、先生のお嫁になります。

