先生の車に乗って。
真っ直ぐ家に向かった。
「ただいま…」
「あら栞ちゃん、おかえり………って、先生?」
「こんばんは。すいません、夜に。
栞さんを、貰いに来ました」
「は、はい?」
美弥子さんの後ろから、
再婚相手の人も顔を出した。
「どうした?美弥子」
「はじめまして。栞さんとお付き合いをさせてもらっている栗原です。
栞さんを貰いに来ました」
「栞ちゃんの彼氏か。
なぁ美弥子、いいんじゃないか?
ここ、住み辛そうだったし」
「……でも、………妹の娘の面倒も見れないなんて…」
「周りの目なんか気にすんなよ。お前はよく頑張ってるよ」
この空気が………凄く嫌だ。
………そっか。
私にはここに居場所もなかったから、
引き留められることも…ないんだ。