大会まで一ヶ月を切った頃には、 遅く帰る私はスルーで、 「雄太!そうだよ、凄いなあ。算数の天才かもしれないぞ!!」 小学生用の計算ドリルを雄太くんに解かせて、 美弥子さんと二人で雄太くんを誉めちぎって。 この家に帰るのが、 こんなに苦痛になるなんて。 「おねーちゃん。おやすみ」 「おやすみ、雄太くん」