「………してない。」




「しなよ。ちゃんと、明日。
承諾するにせよ、断るにせよ、
期待させるのは吉町くんに悪いからね」



「うん。分かってる」







桜の間に集合して、



自由時間。






二人で温泉に行こうとしたそのとき。





あかりに電話がかかってきた。




「もしもし…うん。え?……でも今あたし栞と温泉に…」


彼氏だ……。


“いいよ!行ってきなよ!あとで温泉に行こ!”

口パクで伝えたら、



あかりの“ごめんね”のゼスチャーで、



あかりは部屋を出た。