恋時計。




どんどん教室から人が減りゆく中、私は自分の席にまた座る。




「柊真おっそいな………」



カバンは置いてあるのに柊真の姿が無い。



きっとケータイもこのカバンの中だろうしなぁ…。



柊真は必要最低限のことにしかケータイ使わない人だし。




「わ……暑そうだなぁ…」




校庭には 陸上部がタオルで汗を拭きながら走っているのが見えた。







「こーーこーーねーーっち!!」






「おおおおびっくりしたぁぁ!!!」





窓の外を眺めていたから
後ろからの大きな声にやけにびっくりしてしまった。




声の主は、教室の後ろのドアから
ひょこっと顔を出す直也。




「なにそんなびびってんだよ…こっちがびびるわ」




またもやズカズカと教室に入り込み、
柊真の席に腰をかける。




「直也の声がデカいんだっつーの!!」




まっ、教室はいつの間にかわたし達だけになってたし直也がいても大丈夫か。