恋時計。




「手、痛くなかったか?わり…強く握って」



「あ、いや……それは別に大丈夫だけど…」




困ったように頭をポリポリかいている柊真。




「私 先輩と喋ってたんだけど?」



「………誰か知ってんの?」



「誰かを聞こうとした所でこうなったのよ」



「あー…ごめんな」




柊真は階段に座り込んだ。




「まっ、そんなことよりご飯食べよ?加奈は部活のミーティングに行っちゃったけど」




「…おう。やっぱ中庭行くか」




「ほんっとに気分屋なんだからぁ」




柊真のよく分からない言動に振り回されながらも、2人で中庭に向かった。