恋時計。




「あれ、柊真いねぇの?あ、心音っち!柊真は?」



教室中を見渡して、私を見つけた直也は

他クラスだってことも気にせずに私の席まで来た。



「柊真なら飲み物買いに行ったけど?」



「なーんだ、じゃ戻ったら先部室行ってるって言っといて!」



「えっ?でも今日直也、委員会の………」



「柊真、今日は心音と先生に呼ばれてるからこっちで食べるって言ってた!」



私の言葉を遮った加奈。



「あ、まじ?聞いてねぇぞ~...っておおお加奈ちゃん!今日も可愛いねぇ~♪」



「きもい」



「相変わらず冷てぇな加奈ちゃん…。じゃ、みんなにも伝えとくわ!」




この直也と加奈のくだりは
1年の時から続いてるけど

直也も加奈の毒舌によくめげないと思うよ。



教室から出るまで
直也を見つめる女子がチラホラいた。



柊真と学年イケメンツートップって言われてるだけあるなぁ…。



加奈から聞いた情報だけどね。