「松美 彼方です東京から、来ました
よ…よろしく お願いします」
「うん、他には?」
「特に…無いです」
「うん、じゃ、あいつの隣ね」
指されたのは、窓際から二列目、一番後ろ。その隣には、銀色の眼鏡をかけた爽やかな笑顔の少年が座っていた。
「よろしく、松美さん。俺佐々木涼太。」
「よ、よろしく、お願いします、」
「彼方って、男っぽい名前だね」
「すいません」
佐々木は困って頭を掻いた。
「いや、そうじゃなくて…
いい名前だね」
「どうも…」
下を向いてばかりの私が顔を上げた時、
驚くほど眩しい笑顔が見えた。
私はその笑顔に騙されたのだ。



