「これ、あの時の写真」
ピンクのスマートフォンには佐々木と土井のキス画像が映っていた。
「!?いつそんなの…」
土井が、佐々木涼太の下校中、背後から抱きつき、キスをした。
それもいつのことか忘れた。
見ず知らずの女とキスしてしまった。
でも、そんな行為は俺もいろんな女にしてきた。
最初は土井に嫌悪感しかなかったが、
今は少しずつ、自分とこの人の共通点がみつかってきた気がする。
それが何かはわからない。
《…土井真理亜。よろしくね、佐々木君》
その写真が撮られた時
唇を離して笑った真理亜の瞳が、
酷く寂しげに見えた。
ただそれだけだ。



