松美はおとなしくつくり方を見つめたら、すぐに作り始めた。
「すげぇ、できてる」
小学校の卒業式の赤い花ができていた。
「慣れてるねぇ、僕もできるかなあ」
「わたし…こういうの慣れてるんで、雑用とか」
「お前も苦労してきたんだな。」
なんか喋り方とか髪の毛とかから負のオーラ滲み出てるもん。
「私、…い、いじめられてたんです」
「あぁ、やっぱり」
やば 心の声が…
「詳しく聞いていい?」
ナイス凛
「中途半端な時期にこっちきたのもいじめが原因で…」
「そうだったんだ」
松美が話し始めると、
俺と凛も花を折り始める。
「かなり辛かったんです。
制服ズタズタとか教科書ビチョビチョとか、もうなんか日常化してて。
でも、抵抗しようとしたって、犯人わからないし、直接的な接触が無かったんです。
だから、疑いようもなく、壊れてくものを買い直すしかできなかったんです。
先生だって気づいてたし、相談もしたし、親身になってくれたけど、会議で言ってみるわって…それっきりで。
どうせ何も変わらないんです。
私ももう、努力するの疲れたっていうか
何が目的なのか、何が楽しいのか
分かんなくて」
松美は感情を表さなかった。
ただ花を折りながら、 他人事のように淡々と話していた。
「俺、いじめとか、いじめる方はもちろん悪いけど、いじめられる方もなんかあんじゃないかなって…
いや、松美が悪っていうんじゃなくてさ、なんか気に触るような事しなければ、いじめられないんじゃないかなー、とか思ったりするんだけど…」
「それは違うと思うぜえ
その、犯人?は、なんかむしゃくしゃしててその八つ当たりができれば誰でもいいんだと思うぜー
実際松美自身にはなんもしてないし」
「きっと、その人は私の事なんかこれっぽっちも頭になくて、ただ物を傷つけて一時的な安定感を得ようとしてたと思うんです。
えっと…麻薬みたいな
やめられない止まらない、
だんだん麻痺してきちゃって
挨拶くらいのもんなんですよ、
きっと」
花を折り続ける松美は、
とても大人にみえた。
「すげぇな、そこまで割り切れて」
「…そんなんじゃないです」
松美は悲しげだ。
でも、冷静だ。



