バンドマンに恋をした。


ライブ当日。

いつもよりかわいい服を着て、
メイクもばっちりして、髪も巻いてみた。

少しでも前で見たいあまりに
開場5時間前に会場についてしまった。
それでも何十人ものファンの方が並んでいた。

ああ、あたし場違いだ。

そんなこと思った矢先、
一人のファンの方が話しかけてくれた。


「おひとりですか?」

「はい、はじめてで・・・」

「そうなんですね!」


話しかけてくれた子は、
まさかの同い年のカナちゃんという
女の子だった。