「……あのさ、なんでそんな後ろ歩いてんの?」
帰り道の途中で足を止めた海翔が振り返る。
「海翔がきっキスするとか言うような人だったから……」
「気にするのはそこかよ」
はあ、とため息をこぼす海翔に何だかバカにされているみたいでちょっとむっとする。
「普通演技してたことに怒るんじゃないの?」
「そうだけど海翔は話してくれたから……」
「ほんっとお人好しだな」
はあーっとため息が深くなる海翔に悔しくて私は走り出した。
「桜……?」
「先に帰る!」
大きな声で言って私は全力で走る。
運動は得意じゃないけど走るのはまだいいほうだから。
そう思ったのに海翔はすぐに追いついてきた。
「言っとくけど運動も人並みにはできるから」
そうだった。
今までの海翔とは違うんだった。
それなら走っても意味ないよ……。
走るのを止めてまた歩き出した私に海翔も走るのを止めて隣を歩く。
しばらく無言で歩き続けたら家の近くまできて安心する。
とりあえず今は海翔とバイバイして部屋で頭の中を整理したい。
やっと家についた。
お風呂に先に入ろうかなとのんきに考えていたら海翔に呼ばれて振り向いた。
「っ!」
目の前にある海翔の顔。
振り向いた拍子に私の唇が海翔のほっぺたにあたった。
「え……っ!?」
「クリスマスプレゼント、もらってなかったから」

