「なあ、どうなの?」
「っ、やめて……っ」
耳元で囁くように聞く海翔に恥ずかしくて顔が熱くなる。
海翔ってこんな人だったの!?
頭の中がグチャグチャでパンクしそう。
外は寒いし、だけど恥ずかしくて顔は熱いしでもう訳が分からない。
「何も言わないならキスするけど」
「へっ!?」
顔を近づけてきた海翔に思わず私は体を動かした。
すると簡単に海翔から離れられて慌てて立ち上がる。
「嫌いじゃないけどそういう好きでもないからっ」
「ふぅん? そう言うわりに顔赤いけど」
ニヤニヤしながら立ち上がる海翔に「寒いからだもん」と返して顔をそらした。
今の海翔に何だかドキドキしてる、それは自分で感じたけれど言うのは恥ずかしいし悔しい気がした。
「惜しいけどとりあえず帰るか」
マフラーを直す様子を見ながらやっぱり休みの日に見たのが本当の海翔なんだと思う。
なんか話してもらえたのはいいけど理由に頭がついていかない。
歩き出した海翔の背中を追って私も足を動かした。

