立たせてあげようと近づくと海翔が何か言っているみたい。
「海翔? どうし――っ!?」
よく聞こえなくて顔を近づけたら手を強く引っ張られて海翔にぶつかった。
「かい……っ」
「やっぱ無理」
「え……?」
ボソッと言う海翔。
意味が分からなくて体を離して聞こうとしたら体を押さえつけられた。
「ずっと前から桜が好きだ」
――え……?
「幼なじみとしてじゃない。一人の女子としてずっと前から好きだった」
「何、言ってるの……? またからかってるなら――」
「冗談で手の掛かるヤツのふりなんかするわけないだろ……!」
グッと肩をつかまれて海翔と目が合う。
今まで見たことがないような真剣そうな顔にまた言葉が詰まった。
「手の掛かる幼なじみなら桜はずっと面倒みてくれる、そう思ってずっとそうしてきた。でもやっぱそれじゃ我慢できない。桜の彼氏になりたい」
「そんなこと言われても……っ」
まさかそんな理由で今までの海翔でいたなんて思ってもいなくて。
頭の中が混乱する。
「俺のこと嫌い?」
「そんなことない……っ」
ぶんぶんと首を横に振れば「じゃあ好き?」と返ってくる。

