サンタさんから欲しいもの


少し歩き続けると海翔は目の前がひらけた所で足を止めた。

「すごい……」

そこは広場で真ん中あたりに大きなツリーがある。

ツリーには電飾がたくさんついてキラキラと光ってとても綺麗。

たくさんの人が私みたいにツリーを見上げてる。

「桜こういうの好きそうだから今日中に見せたかった」

つかまれていた手を軽く引っ張られ、ツリーから横にいる海翔へと顔を動かすと嬉しそうな笑顔があった。

私のために見せてくれて嬉しい。

だけど本当の海翔がどれなのかまだ聞けていない。

そう思った私は海翔の手を握り返した。

「桜?」

「本当の海翔はどれなの? 今まで? この間の休みの日? それとも今?」

きっと今聞けなかったらまた聞けないままになってしまう。

このまま海翔と話せなくなるのは嫌だから……。

話してほしい。

そう思ってじーっと海翔を見る。

すると海翔は空いているほうの手で顔を隠して座りこんでしまった。

え……!? やっぱり風邪ひいたの……!?

手を引っ張られた私もしゃがんで海翔の様子を見る。

海翔の顔はさっきまでよりも赤くてますます心配になる。

「海翔? やっぱり具合悪いの……!?」

どうしよう、早く帰らないと!

慌てる私と動かない海翔。

そんな私達を周りにいる人がチラチラ見ながら通り過ぎていく。