由佳ちゃんに頑張ってみると言った私だけど、海翔と上手く話せないままクリスマス当日になっちゃった。

家は隣で会えるし話せる距離なのに。

もし顔を合わせて嫌いだって言われたらどうしよう。

そう思い始めたらそればかり気になって。

火曜日からは海翔からメールも電話もなくて、ますます私といるのが嫌になったんじゃないかと思う。

「結局プレゼント買えなかったな……」

授業が終わって学校で由佳ちゃんと別れた私は真っ直ぐアルバイト先に向かって歩きながら呟くようにこぼす。

街はクリスマス一色で周りの人はみんな楽しそう。

去年は予約したケーキを受け取りに海翔と二人でアルバイト先のケーキ屋さんに行ったんだよね。

今年は一緒にアルバイトしている人に頼まれてクリスマスのシフトに入ったけど、これでよかったのかもしれない。

家にいたらきっと暗い気分になってしまう。

それならアルバイトをして忙しく過ごしたほうがずっといい。

去年プレゼントをわたした時の海翔の笑顔が頭に浮かんだけれど、それを消すように私はいつもより大きな声で挨拶をしながらケーキ屋さんに足を入れた。