「ごめんね…で?どうするつもり?」

「どうしよう…かな」


用が済んだのか凪はスマホをポケットにしまう。


今は蒼井くんと両思いなんだってことだけでいっぱいいっぱい…

しばらく余韻に浸っていたいところだけど…





「ちょっと告白の練習してみたら?そしたらまた違うかも」

「え、いいよそんな…」


即断ると、凪にものすごく怖い顔で睨まれる。




「や、やります!」


私は恥ずかしさを押し殺して半ばヤケクソの気分になっていた。





「すすす、好きです…」

「もっとはっきり!」

「好き…です」


凪の前でもこれだけ恥ずかしいのに、本人の前だったらどうなっちゃうんだ…失神でもするんじゃないかな。





「もう一度」

「…好きです」

「蒼井くんって付けた方がいいよ」

「ええ!」


それは本当に恥ずかしいんですけど…




「付けな。その方が可愛いし印象いいよ」


そうなのかな…でも凪が言うとそうだと思ってしまうけど。

私はふぅと息を履いたあとで思い切って口を開いた。
















「蒼井くん…好きです」



「俺も…」





え…







今どこからか男子の返事がした?

キョロキョロするとプールの出入り口に蒼井くんがいて、こっちを見ている。





「えっ…あああ、蒼井くん!?」


もしかして今の聞かれてたの!?