ゴボゴボゴボゴボ…


プールの水音がやたら耳につく。

私は凪の言葉にとっさに言い返すことが出来なかった…


理解するのに時間がかかったし、何しろ信じられなかったというのが正直なところだった。






「な、なに…そんなの………」

「嘘じゃないよ。紡からはっきり言われたの」

「え…」


顔が一気に赤くなり、おまけに私までボロボロと涙がこぼれてきた…


蒼井くんが…私を好きなんて…

そんなの夢みたいで……




「ちょっとタオル取ってくるね」


凪が持ってきてくれたタオルで涙を拭き、落ち着いたところで話を再開させた。





「紡にバレンタイン告白したって言ったでしょ。あれは本当。「ずっと好きだった」って言ったら…他に好きな子がいるって言われたの」


スタート台に並んで座り凪の話を黙って聞く私。




「「誰?」って聞いたら紡は言わなかった。だから「美海でしょ」ってこっちから聞いたら黙って頷いたの…」

「…」


さっき拭いたはずの涙がまたこぼれ落ちた…

凪の手前泣いたらダメなのに…嬉しすぎて涙が止まらないよ。




「失恋して帰ってる途中に美海に会ったから…意地悪してデタラメなことべらべら喋っちゃった。本当にごめんね…紡が恋愛嫌いなんて全部嘘だから」


それを聞いてホッとした。

蒼井くんはそんな人じゃないって分かってたけど…凪の言葉を信じてたから。





「本当にごめんなさい。こんなの友達として最低だよね…健と仲良くしてたの見てそれも当たってさ…私ってマジで嫌なヤツ」

「ううん、いいの…凪の気持ちわかるし」


私がそう言うと凪はまた涙を流した。2人で泣きながら笑顔を見せる。





「だから紡にさっさと告白しちゃいな。せっかく両思いなのに…」

「え…でも…」