そうなんだ…

ほんのり日焼けした蒼井くんを想像するだけでカッコイイかも。




「そうかな。特に気にしないけど」


炭酸飲料を飲みながら言う蒼井くんは、隣にいる健くんをチラリと見る。




「健は地黒だからいつも同じ肌だよな」

「…日焼け止め塗っても意味ないだろうな」


健くんの言葉に男子達はケラケラ笑う。蒼井くんも肩を震わせて笑っていて、私はその横顔に見とれてしまった…








チャポン…


その日の夜。私はお風呂で湯船に浸かりながら、蒼井くんのことをぼんやりと考えていた…

蒼井くんの事を好きだと気づいてから、よくこうやって1人で思い出してドキドキしちゃう。

そして自分に「キモイ」と言い聞かせお湯を顔にかけて平然を装う。この繰り返しだ。




今日も蒼井くんと少し話せたし、帰り道も途中まで一緒だったな…

部活が一緒だからクラスが離れてても話す機会はあるし、帰りもスポーツクラブから皆で帰るしお互いの家が近いからぎりぎりまで一緒にいられるんだよね。

それだけで幸せだよ。恋ってこんなにいいものだっけ?


陸の時とは少し違うなぁ…

あの時は好きって気づいた時から失恋してたし…






「ふぅ…」


お風呂から上がって部屋でクーラーに当たりながら水を飲んでいると、陸からLINEが来ていることに気がついた。

陸も本格的に夏の県大会に向けての水泳部の練習が始まり、毎日楽しみながら頑張っているらしい。


私は「頑張って」と返事をして何度か他愛のない会話をした後、蒼井くんのことを考えていた…

陸のことはもういい思い出になった。今は友達というだけで特別な感情はない。友達として大切な存在ではあるけどね…


蒼井くんのこと考えるだけで胸がきゅっと締め付けられる…

早く会いたいな…