俺に溺れとけよ

「はぁ…」


その日の夜。夕飯を食べてお風呂も済ませ、ベットに寝転がって考えることは蒼井くんのこと。

まだ付き合いも浅いのにこんな誘いするなんて図々しかったかな…嫌な顔は一切してなかった…それに連絡先も交換しちゃったし…

色々と後悔してる……でも…

蒼井くんと出かけるなんてちょっと楽しみ…あ……そうだ!


私は勢いよく起き上がり、部屋のクローゼットを開けて服を引っ張り出して当日着ていくコーデを夜な夜な考えた。







「美海ちゃーん!蒼井さんのところのお孫さんが来たよ」

「はーい!」


日曜日。約束の時間の少し前におばあちゃんから呼ばれて、私は急いで玄関まで向かう。外にはラフな服を着た蒼井くんがいた。




「よ」

「こ、こんにちわ!今日はよろしくね」


緊張しながら玄関で靴を履いた後、おばあちゃんが見送ってくれてる中2人で外に出た。何でも蒼井くんの家族も漁師で、うちの祖父母とは漁師仲間で昔からの付き合いらしい。

私は最近まで東京に住んでいたからそんなこと知らなかったけど田舎ということもあるが、ご近所との付き合いは広いと思った。