「受験も終わったし…大学始まるまで泳ぎ方教えてね」

「いいよ」


私は紡に小指を差し出すと指切りをして約束をした。






「泳ぎとは置いておいて…せめて溺れるのだけは避けたいな…」

「そうだな」

「紡には初めて会った時からずっと溺れっぱなしだけどね」


冗談交じりで舌を出して見せると、紡は優しく微笑んで私の頭をポンと撫でた。






「なら俺にずっと溺れてろ。助けになんて行ってやらないから」

「意地悪~」


プールに私達の笑い声が響く…




魚みたいに泳ぐ人に恋した場所で、

今はその彼と笑い合っている。



私はこれからも彼に釘ずけ。



これからも

ずっとずっと…


彼に溺れっぱなしです…





END