ちゃぽ…

ちゃ…ぽん…



その日の夕方。

紡と陸の勝負が終わって一時解散になったが、まだ余韻を楽しみたくて私と紡はスポーツクラブのプールに残っていた。





「あー人がいないっていいな」

「本当だね」


今日は貸し切りだから、まるで私と紡だけのプールみたいで贅沢な気分になる。

私も持ってきた水着に着替えて、足だけプールに入れてバシャバシャと動かしていた。






「打ち上げ何時からだっけ?」

「7時に店集合だろ?あと1時間は泳げるよ。大学に行っちゃえばプールに来れる回数も減るだろうし、今たくさん泳いでおかないとな…」


紡はそう言いながら私の側まで来ると、そっとこっちに手を指し伸ばして来た。





「それに…お前とこうやって2人きりでプールに来るのも久しぶりだから、たまにはゆっくり泳ごうよ」

「うん」