俺に溺れとけよ

スタートの合図のホイッスルが鳴ると、2人はほぼ同時にプールに飛び込んだ。



紡の完璧なフォーム…

すごく綺麗…


本来の紡が戻ったんだ…





バシャッバシャッと水音をたて物凄いスピードで泳いで行く2人は、

お互いを抜くこと無く同時に進んでいる。


しかし、ターンの時…

若干陸が前に出て紡が遅れをとった気がした…







紡っ………



両手をギュッと握りしめて祈るように紡を見守る…

すると紡はすぐに陸と同じ位置まで泳ぎ、ラスト数メートルの時には…






「紡ーーー!行けーーーー!!!」



どこにそんな体力が残っていたのか…

紡は信じられないスピードで陸を追い越した。そして…






ピーーーーーーッッ!







健くんがホイッスルを鳴らす。


スタート台を先にタッチした紡は、プールから顔を出して思いっきり手を挙げて拳をつくった。

その数秒後に陸もゴール…



紡が勝った…


涙が溢れた。