俺に溺れとけよ

「私も来ちゃって良かったのかな。ホテルで待ってようと思ったけど、多分落ち着かないだろうから」

「大丈夫だよ。私だって来てるし…それにうちの水泳部の部員達も来るから」


彼女なら心配だもん…

勝負は近くで見届けたいよね…





「この前はごめんね。陸がすごく失礼な事言ったよね」

「…ううん。わかってるから大丈夫」


本当はまだ少し根に持ってるけどね(笑)





「陸と蒼井くんて全国大会でずっと同着だったでしょ?…心のどこかでね…蒼井くんが怪我でもすればいいのになって思ってた。そしたら陸が優勝出来るのにって」

「え…」

「でもいざ怪我したって聞いたら…すっごく残念て思ったし……納得いってない陸の気持ちも痛い程わかって…自分がとても汚い人間だなって恥じたわ」


近藤さんは陸をぼんやりと見つめながら言った。





「蒼井くんの足が治って…今日勝負出来て本当に良かった」

「近藤さん…」

「ちょっと話はズレるけど…私ずっと美海ちゃんに嫉妬してたのよ。陸と仲良くしてたから…正直邪魔だなって思ってた」


近藤さんのそのカミングアウトにいくつか思い当たる節があった。

意地悪されたわけではないけど、時々近藤さんの態度にそれが出ていた事に気がついていたから…