「こんな所に1人で来るなんて…お前にしては凄いじゃん。いつもは夜の学校のプール行くだけでも怖がってんのにさ」

「…」


いつも通り接してくれる紡に私はいつもみたいに返すことが出来ない…

涙が次から次に溢れてくるだけ…


私達がいるフロアには私の泣く声だけが響いている。





「美海…」


後ろから、紡が私を抱きしめる。





「ご…めんなさい」


泣きながら必死で謝った。


謝ったって紡の足が治るわけじゃないのに…






「いいんだよ。お前のせいじゃない」


後ろから私を抱きしめながら、耳元で囁くように低い声で言う紡。




「私のせいだよっ」

「違うよ」

「違くない!」


私があの時ゴミなんて捨てようと思わなけば、この事故は防げたの…


全部私のせい。

紡が怪我したのも、全国大会に出られないのも私のせいだ。





「本当にこれでいいんだよ。お前が無事ならそれでいいんだ」

「良くないよ!大会に出られないんだよ?高校最後の大会なのに…」