俺に溺れとけよ

サーーーー…


翌日は一日中雨で寝不足と湿気で気分が益々下がる中、放課後におじいちゃんの大きな傘をさして海沿いの道を下校していた。



今日は雨だし…プール行くのやめようかな。でも蒼井くんに会えるかもしれないし…

私は1組で蒼井くんは5組らしく、クラスが離れている為偶然会う事が少ない。今のところ学校での知り合いは蒼井くんしかいないから、今は一番気になる人になっている。





ぴしゃっ…


すると足音がして私を追い越そうとする人を何気なく見ると、その人は今ちょうど考えていた蒼井くんで私に気づいたのかその場で立ち止まる。




「…悪い。水かかった?」

「ううん全然!それより傘ないの?」


傘をさしていない蒼井くんは髪や制服が結構濡れていて、私は慌てて自分の持っている傘の中に彼を入れる。





「忘れた。朝そんなに降ってなかったし」

「そうだった?」


朝からまあまあ降ってたと思うけど…