「はいはい。浮気もなければお前以外の男を見ることもないって」


腹立たしい言い方をする務に、俺は舌打ちをしながら飲み物を全部飲み干した。




「わかったなら練習再開するぞ。あんな泳ぎじゃ土田陸にも勝てないし全国にすら行けないかもしれないぞ」

「…絶対行ってやるよ」


俺は空になった缶ジュースをクシャっと潰す。

心がすっきりしている。

悔しいけど務のお陰だ。


お礼を言いたいところだが、それは全国で優勝してからにすることにした。



俺は絶対に優勝する。

そう胸に誓った…




俺の心はやる気に満ち溢れていた。

さっきまで散々泳ぎまくっていたのにまた泳ぎたくてウズウズする…






「俺も久しぶりにお前と泳ぎたくなってきたよ」


ハハハと笑いながら席を立つ務。

俺は缶を捨てる前に務に話しかけた。





「務」

「んー?」