ケータイのアラームが鳴っている。


午前10時…


遅めの朝だが、学校が夏休み中の僕には少し早いくらいの目覚ましだ。


目を閉じたまま枕元をまざくる。




…見つからない。




「んん…」


寝返りを打つと、ニヤニヤしながらケータイを僕の耳元にあてている天使がいた。




「うるさい…」


「目覚め最高?」

亜矢がニヤッと笑う。


クーラーのない亜矢の部屋は暑いけど風通りがよくて心地よい。



「最高…、なわけないよね?」



「なんでよ!」


亜矢が唇をとがらせる。


「あとさぁ…



なんで下着姿?」

僕は目のやり場に困りながら言った。

亜矢は黒のブラとパンティ姿だったのだ。



「ん?さっきシャワー浴びたから」




「…はは」




亜矢は戸惑う僕を見て、そのままの格好で近づいてヒョイッと僕のTシャツを脱がした。


そして横になったままの僕に亜矢が馬乗りになる。




「なっ!!」


「記念すべき同棲1日目の朝は…どんな気分?」

亜矢が色っぽく言った。


「亜矢…今、朝…」


そう言いつつ僕の下半身はムクムク元気になった。


亜矢はいやらしく笑って、僕のはいているジャージに手をかけた。



「舐めたげる♪」




亜矢がジャージを下ろそうとしたその時、



ガッチャン!



思いきりドアが開いた。




「夏樹、俺の勝ちだ!」


そこにいたのはアツシさんと、


夏樹さんだった。


「くそ-…、まだやっちゃってないような感じだったのになぁ!」
そう言って夏樹は財布から五千円札を取り出しアツシに渡す。



「卒業おめでとう!ヨースケ!!」


アツシはそれを受け取るとニヤニヤ笑った。