明らかに宿泊者ではない黒ずくめの男が、二人。
もしやと思って振り返ると、ホテル側から普通の格好をした二人がこっちに向かってきていた。
その目は、じっと私をにらんでいるみたい。
怖くなって悠に寄り添うと、彼はまたマイクに向かって言った。
「他の宿泊者を寄せ付けないようにしてください。こっちは俺が征圧します!」
えっ。こっちは俺がって……まさか、一人で四人を相手にするつもり?
「大丈夫だよ、庭を閉鎖したら応援に来てくれるはずだから」
私の心を読んだように、悠が言う。
それって、やっぱりひとりで戦うってことじゃない。
「に、逃げよう悠」
「どうやって?」
そう言われれば、確かに。四人の敵に挟まれ、逃げ場はない。
「俺から離れないで」
そ、そんなこと言われても~!
既に心臓バクバクで、冷汗が滝のように流れてきている。
無駄にキョロキョロしていると、ついに敵がいっせいに駆け出した。
やめて、来ないで!



