「犬とか猫とかも集まってくるの?」
「近くにいればね。ちょっとここでは無理だな。犬猫のにおいがしない」
そっかあ……もふもふしたものの方が、個人的には可愛くて好きなんだけど。さすがにホテルの庭はうろうろしてないか。
それにしても、すごい。
きっと、悠の気持ちが温かいから、動物に伝わるんだね。
一緒にいると温かい気持ちになるような気がしていたのは、私だけじゃなかったんだ……。
「素敵な特技だね」
もう一歩近づいて言うと、悠は目を細めて笑った。
「良かった。やっと笑ってくれた」
そう言われて、自分が微笑んでいたことに初めて気づく。
私が笑えたのは、きっとあなたが笑っているから。
傍にいるあなたが、ずっと微笑みかけてくれているから、きっとそれが私に伝染したんだ。
あなたの温かい気持ちが、私の冷えて固まった心の武装を溶かしていく。
強がったり、必要以上に深刻に考えなくていい。
霧子は霧子。自然のままでいいんだよ。
悠の目から、そんな気持ちが伝わってくるような気がした。



