「そんなことない!」
勢いよく首を振って否定すると、彼はびっくりしたような顔をした。
「はは……なんか俺たち、似てるかも」
短く笑うと、彼は私の頭をなでる。
そうかもしれない。
私と彼はどこか似ていて、だからこそ、あの初対面の夜に何かを感じ取ったのかもしれない。
自分と似ている彼なら、自分のことを理解してくれるかもしれない、と。
「とにかく、そんなこんなで、ずっと外にいるうちに、ある特技が身についたんだ」
「特技?」
「見てて」
悠が私の頭から手を離し、ベンチから立ち上がる。
そしてとことこと花壇の近くまで歩くと、すっと右腕を肩の高さに上げた。
すると……。
「はっ!?」
伸びた悠の人差し指先に、ひらひら舞っていたと一匹の蝶が、ぴたりととまった。
それだけならば偶然かと思うのだけど、最初の一匹に誘われるように、計四匹の蝶が悠の周りにやってくる。



