皆が持っているゲーム機やおもちゃが、うちにはなかった。
持ち物は全て、百均でそろえたものだった。
遊びに誘ってもらっても、友人たちのように自由に買い物はできず、いつも見ているだけ。
土日でも、着ているのは学校の制服か体操服だった。
当時のことを思い出すと、未だに惨めで泣きたくなる。
だから、自分はどんな子供でも差別せず、話を聞いてあげられるような教員になりたいと思った。
「金に目がくらんだって……そんなレベルじゃないよ。誰だって、子供に貧乏暮らしさせたいなんて思わない。普通のことだ」
地面を見てうつむいていた私に、悠が優しく声をかける。
「そんなこと、恥ずかしく思わなくてもいい」
「悠……」
「ぶっちゃけ俺も、昔は超貧乏だったよ。おもちゃなんてなくて、公園を通りかかるノラ猫やハトが遊び相手だった」
ノラ猫やハト……それって、遊び相手になるの? 何して遊ぶの?
いやそれより、悠が貧乏だったなんて意外。全然、そんなオーラを感じないのに。



