「なんか、ホテルの庭って似たりよったりだね」
促されて座ったベンチから周囲を見回すと、なるほどと思った。
よく手入れされた花壇に、小さな噴水。
悠と初めて出会った、婚約披露パーティーをしたあのホテルの庭を思い出す。
今回は昼間だからか、宿泊客の姿がちらほら見えた。
といっても、特に見どころのない庭なので、どの人も長居することなく、通り過ぎていく。
「いい天気」
隣で悠が伸びをする。
ほんと、ここだけ見れば、世界は平和そのものって感じ。
「さて……色々と聞きたいことがあるんだけど」
「ん?」
「昨日のこと。高浜さんは深入りするなって言ってたけど、俺は気になっちゃってさ」
昨日……。
「もしかして、家庭の事情のこと?」
昨日の公邸での家族会議は、遺産相続とか、妾の子とか、昼ドラみたいな台詞のオンパレードだったものね。
悠はこくりとうなずく。そりゃあ、気になるよね。



