私と篤志さんの結婚を……ということは。
藤沢家と八乙女家の絆を断ち切りたい、父の派閥に対抗する勢力の犯行ということ?
全員が同じことを思ったのだろう。
母と兄はつまらなそうな顔をし、父と篤志さんはうーんとうなってしまった。
「八乙女さん、心当たりは」
「ありすぎて、特定できないな」
「でしょうね」
短いやりとりをした後、篠田さんはふうとため息をついた。
「では、こちらで捜査を進めます。私は一足先に戻りますので、今後のお嬢さんの警護計画については、そこの筋肉ダルマ……もとい、警護課と話をしてください」
筋肉ダルマ。ひどい。高浜さんはまだしも、悠は全然そんな感じじゃないのに。
「あとで連絡しろ」
「ああ、わかってる」
さっさと歩いた篠田さんは、入り口に立っていた高浜さんと話し、すぐに出ていってしまった。
その様子を目で追っていると、ちょんちょんと背中をつつかれた。
「ねえ、これって良いタイミングなんじゃない?」



