「どうも、ありがとう」
いらないというのもなんなので、受け取ってキャビネットの上に置いた。
「水をあげすぎちゃだめだよ。枯れちゃうから」
悠は勝手に部屋中を行き来している。
「へえ……って、なに勝手にタンスを開けてるのー!」
タンスには当然、下着類も入っているわけで!
「だって、着替えを入れるところを」
「そんなのリュックに入れておけばいいでしょ! スーツだけはクローゼットにかけておいていいから!」
なぜ人のタンスに自分の着替えをねじこもうとする。
もしやと思って洗面所をのぞく。すると、歯ブラシや洗面用具、ワックスなんかが綺麗に鏡台の横の収納部分におさまっていた。
なにこれ……なんか、同棲カップルの部屋みたい。
なぜ、彼氏でもないこの人とこんなことに……。
ぐったりしていると、レンジの温め完了音がピーロピーロと鳴った。
呆然としている私を放っておいて、悠は勝手にほとんど使っていない調理器具を発掘し、チャーハンを作りはじめた。



