強引でもいい、私を奪って。【SPシリーズ大西編】



「……へえ」


なんか、すごく生活感のあるSPだな。

彼はそれをレンジに入れると、それを温めている間にビニール袋の中身を冷蔵庫に綺麗に整頓して入れていく。


「この食材、どうするの?」

「食べるに決まってるじゃん。毎回お弁当やデリバリーだと、吹き出物ができるよ」


悠はそう言うと、冷蔵庫をのぞくためにそばにいた私に微笑み、指で頬をつついた。

うっ、そう言われれば最近お肌が荒れているような気が……。


「花嫁は綺麗でいなきゃ。一生に一度の晴れ舞台なんだから」


悪気のなさそうなその言葉が、胸に突き刺さった。


「式まで、まだ半年もある」


うつむいてそう反論すると、頭の上から優しい声が降ってきた。


「半年なんてあっという間だよ」


ぱたんと冷蔵庫を閉め、悠はリュックをごそごそしだした。

決してオタクが持っているようなダサいリュックではないけれど、登山でもするのか?というくらい大きい。

中から出てきたのは、洗面用具や着替えだった。見る限り、足りないものはなさそう。