「あいつがそんなことを言いだしたのは、初めてなんです。俺にはその理由はわかりませんが、自分で志願したくらいなので、きっと大丈夫だと思います」
それって、何の根拠もないじゃない。
じとっと高浜さんをにらむと、彼はまた苦笑した。
「それにあいつは、とてもカンが良いんです。ほとんど動物並に。危険を察知する能力は俺たちより上です。どうか、安心してください。このまま危険なことがないのが一番ですけどね」
話が終わると、高浜さんはまた真顔で直立不動に。
なんか……SPとしてはとても安定感があって安心できるけど、ここで生活する身としては、すごく落ち着かないや。
悠が早く戻ってきてくれないかな。
さっきまで高浜さんに悪口を言っていたのに、いつの間にか心の中ではそんなことを考えていた。
悠、自分で私の担当になるって言ってくれたんだ……。
その様子を思い浮かべると、頬が熱くなるような気がした。
あの夜の頼もしい悠。昨日からのお調子者の悠。
どっちが本当の悠なんだろう?
考えこみそうになって、やめた。
今の私には、他の男の人のことを考える資格なんて、ないんだから。



