強引でもいい、私を奪って。【SPシリーズ大西編】



そうだったのか。大西さんたちが来てくれたのは、偶然というか……とてもいいタイミングだったんだ。

彼らが来てくれなかったら、私は何をされていたんだろう。もしかして、殺されていたのかな。


「誰かが集団で、私を襲おうとしているってことですか?」


質問すると、信号が青になった。

前を向いたままの高浜さんが答える。


「まだわかりません。関連を調べなくてはなりませんね。今回の犯人はやることが荒々しい。すぐに尻尾を出すでしょう」


たしかに、防犯カメラがあるホテルの庭で襲ったり、そっと入ってくればいいのにわざわざ爆破したりと、たしかに犯人は思慮深いとは言えないように思う。犯罪の常識なんて、私にはわからないけど。

話が一区切りしたところで、車はちょうどマンションに到着した。


「ここの三階か。いいところだね」

「あまり新しくはないですけど」


壁はグレーのタイル調で汚れは目立ちにくいけど、既に築十一年は経っている。

かろうじてオートロックだけど、警備員はいない。