「やあ、よく来てくれた」
どうやら今日は義母と義兄は留守にしているみたい。
公邸の玄関まで出てきた父は、笑顔で私を出迎えた。
「さあさあ、食事も用意してあるんだ。久しぶりに楽しく過ごそうじゃないか。今日はお客さんも招いているんだよ」
父がそう言うと、公邸の重い扉が開かれる。
すると、複数の拍手の音が私を迎えた。
「なにこれ……」
入ってすぐのホールに、見覚えのある顔が並んでいた。
SPの高浜さんに新城さん、矢作さん。
公安の篠田さんに、悠の妹の桜さん。
「霧子さん、誕生日おめでとう!」
桜さんが言うと、屋敷中の灯りが灯される。
ぱっと明るくなったホールの奥には、異常に大きなケーキが鎮座している。
複数のテーブルに料理や飲み物が用意され、カーテンや部屋の隅は花や風船で可愛らしくデコレーションされていた。
「ウソだぁ」
うっかり泣きそうになってしまった。もしかしなくても、これは私のバースデーパーティーだ。



