強引でもいい、私を奪って。【SPシリーズ大西編】



『来月には、彼氏の転勤についていくことになっているの。なかなか忙しくて連絡できなくなるけど、悠は絶対にまた霧子さんのところに戻ってくると思うから。待っててあげてね』


そう言って笑った彼女は、とても綺麗だった。

コンビニから夕暮れの街を、一人きりのアパートへと戻る。

たった往復十分の道のりなのに、Tシャツが汗ばんで背中に張り付いた。


「あっついな、も~……」


手でぱたぱたと顔を扇ぎながら、マンションへ入ると、珍しく管理人に声をかけられた。


「藤沢さん、荷物を預かってますよ」

「え? 私に?」


管理人さんは、白い封筒を私に差し出す。

厚みのあるそれは、何か壊れやすいものを包んでいるように見えた。

差出人は、『篠田宗一郎』。公安の篠田さんだ。

私はそれを受け取り、部屋に戻った。

ビニール袋からアイスクリームを冷蔵庫に入れると、すぐに封筒の封を破った。

中から出てきたのは、緩衝材に包まれたCD-Rだった。