自作自演……。
たしかに、政略結婚をやめさせたいなら、私だけじゃなくて篤志さんを狙っても良かったはず。
今までは私の方が非力だから狙われるのかと思っていたけど、よく考えれば、テロリストたちが篤志さんに見向きもしないのはたしかにおかしい。
篤志さんが黒幕だと知っていたから、彼らは私だけを狙ったんだ。
「あとは、確保したテロリストたちを調べたら色々と出てきたよ。詳しくは裁判でな。さあ、銃を捨てろ」
悠が銃口を篤志さんから離す。
その瞬間、残りのSPたちが篤志さんを取り押さえた。
「離せっ、触るなっ」
じたばたする篤志さんの髪が乱れて、おでこに落ちる。
「いったいどうして……」
わけがわからず突っ立っている私に、篤志さんが怒鳴るように答える。
「僕は、総理と手を組もうなんてこれっぽちも思っていなかった」
ずっと屈んでいた父が、ゆっくり顔を上げる。



