おそるおそる頭から手を離し、屈んだまま後ろを振り返る。
するとそこには、スーツを着た篠田さんと、高浜さんたち、私を警護していたSPたち。そして、黒い制服を着てヘルメットを着用している、特殊部隊と思われる人たちがいた。
その後ろの、主祭壇の奥のガラスの壁が無残に砕けている。
さっきの音は、壁を突き破った音だったのか。
「霧子!」
その集団から、一人の人が駆け出してきた。
ゆるいウエーブがかかった髪。女性のような優し気な顔立ちの、色の白い男の人。
「悠……?」
幻覚かと思った。
どうして、警察を辞めたはずの彼が、ここにいるの?
疑問はたくさんあったけど、立ち上がらずにはいられなかった。
「悠!」
叫んだ私を、スーツを着てイヤホンを着けたSP仕様の悠が駆け寄ってきて抱きしめる。
「言ったろ、このままじゃ終わらせないって」
強い力で私を引き寄せ、耳元で囁く。
その声は悠のものに間違いなくて、自然に涙が溢れた。



