その隙をつき、父のSPがテロリストに向かって跳び込む。
「わああっ」
「ひいいい」
近くにいた参列者の悲鳴が上がった。
おっさんSPはテロリストの腰にしがみつき、そのまま床に倒そうとしているみたい。
ハラハラしていると、また銃声が響く。
硝煙のにおいと共に、赤いしぶきが宙に舞った。
「いやあああああっ」
女性の高い悲鳴が耳をつんざく。
テロリストにタックルしたSPは、他の男に撃たれたらしく、肩から血を流して倒れてしまった。
「無駄なことをすると、人質の命もないぞ!」
その光景を目の前にしたSPたちは、余計に動けなくなってしまった。
「俺たちの目的は、このネックレス。そして」
テロリストたちが、こちらに一斉に銃を向ける。
「藤沢総理と、その娘霧子。お前たちの命だ」
ええええっ、ちょっと待ってよ。
ネックレスを渡したのに、それだけじゃダメなの? 結局殺すなんて、ひどくない?
テロリストたちの目的は、ネックレスと私の命の両方だったったってこと?



